瀬川陣市 フォトグラファー 公式サイト

フォトライフコンシェルジュとして 写真家・講師・ライター などで活躍、フォトララ写真未来研究所代表

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上野彦馬を長崎に訪ねて

2016/07/22

日本の写真界のパイオニアはと聞かれて思い出す人は誰でしょうか。確実に名前が挙げられるひとりが上野彦馬です。

上野彦馬の足跡を長崎に訪ねてみました。

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日本写真界の開祖として

上野彦馬は、1838年長崎市銀屋町で生まれます。彦馬の父、俊之丞が出島のオランダ商品を通して写真機を初めて輸入したのが1843年。このときは輸入はしたものの撮影には失敗。初めての撮影成功には至りませんでした。

彦馬のオランダ語に親しみ、蘭化学を学び写真に出会います。それから独力で写真撮影を成功させます。オランダ語の化学ま教科書を訳した「舎密局必携」を編纂。その一部にあるコロジオン湿板写真の解説は写真術の古典書として知られています。

1862年に長崎に帰郷し、撮影スタジオとなる上野撮影局を開設。ここで坂本龍馬をはじめ、幕末の志士たちの撮影を行いました。龍馬の立ち姿の有名な写真も上野撮影局で撮影されたもの。

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上野彦馬の生誕地、長崎市銀屋町。彦馬を紹介する立看板が建てられています。

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生誕地の場所は、会社や住宅が立ち並ぶ静かなところ。観光で歩いたついでに偶然目にすることは少ないでしょう。

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生誕の地の道をまっすぐ行くと眼鏡橋のふもとに出ます。その中津川沿いに改めて上野彦馬生誕地の碑があります。龍馬の像と一緒です。この碑の場所は実際の生誕地とは異なります。

上野撮影局

彦馬が長崎で撮影を行ったのが宅地でもあり、撮影局を開設した中津川上流の銭屋川にかかる銭屋橋の近くの場所。

大河ドラマ「龍馬伝」では、上野彦馬役としてテリー伊藤が龍馬を撮影するシーンが出できます。その場所がここに当たります。実際に龍馬の立ち姿を撮影したのは、彦馬の弟子の井上俊三とのこと。

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上野彦馬宅跡の碑。小さい通りを挟んだ住宅の片隅に建てられています。

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当時を偲び、カメラと龍馬を撮影したセットのレリーフが川沿いに。ここで龍馬になりきって撮影できます。もちろん私もポーズを取ってみました。

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上野撮影局を写した古写真にも写る、銭屋川。この川沿いに彦馬の撮影スタジオがありました。

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彦馬が遺したもの

上野彦馬が遺した古写真はかなりの数に及びます。現在、龍馬ブームをはじめ幕末時代のドラマが脚光を浴びる要因にひとつは、多くの登場人物の肖像写真が遺されているからでしょう。

その立役者のひとりが上野彦馬です。彦馬が遺したものは写真だけではなく、今日の日本写真界にも確実に引き継がれています。

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上野彦馬の墓石は、長崎市の晧台寺にあります。墓石への参道入り口門には、"日本写真界の始祖"とあります。私も写真に少なからず携わる者としてお参りしてきました。

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長崎歴史文化博物館のホールに展示されている彦馬撮影の特大写真。幕末の若い志士たちの集合写真。この写真は圧巻です。

Nov-02 2010 Up

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