瀬川陣市 フォトグラファー 公式サイト

フォトライフコンシェルジュとして 写真家・講師・ライター などで活躍、フォトララ写真未来研究所代表

世界遺産 潜伏キリシタン関連遺産 五島列島を効率よく観光する方法 キリシタン物語 久賀島・奈留島編

2018/07/30

長崎五島列島の潜伏キリシタン関連遺産を巡るベストの方法を探す

2018年6月30日「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を世界文化遺産に登録することを決定しました。これにより日本の世界遺産登録数は、自然遺産と文化遺産合わせて22件になります。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は広範囲に及ぶため、訪問するにはすべてを一度に巡るルートは時間がかかります。そこで区分して今回は五島列島の中でも下五島にある久賀島・奈留島を巡ります。久賀島には旧五輪教会、奈留島には江上天主堂が世界遺産として登録されています。島にはほかにも関連遺産があり効率よく見て回るにはどうしたらいいか計画を立ててみることに。

出発地は福江島になるのですが、島の往来には船で渡り、島での移動にはタクシーを利用するのがよさそうです。ただ島内タクシーの数は少なく、個人手配で周遊するにはチャーター費用なども高額でかかりそう。そこで検討したのがツアーへの参加です。ツアーであれば島の移動も島内の交通手段もこちらで手配する必要はありません。また教会に訪問するのにも事前の連絡が必要とのことなのでこの点についての手配のわずらわしさも解決できます。

総合的に考えて今回久賀島・奈留島を巡るのにはツアー参加することにしました。そこでどんなツアーがあるのか検索したところ五島市観光協会が実施しているツアーの内容が希望しているものにほぼ近い!それが「五島列島キリシタン物語 久賀島・奈留島編でした」。

それではこのツアーの内容を写真で振り返ってみましょう。

久賀島へ旧五輪教会を訪ねる

キリシタン物語の集合場所は、福江港にある観光協会の売店前。同じツアーの参加者の集まりを待っていよいよ世界遺産の教会への旅の出発です。

定期船シーガルに船上し久賀島の田ノ浦港へと向かいます。ちなみに久賀島と書いて「ひさかじま」と読みます。

シーガルは観光船でもあり、海底の様子も見られるようになっている船。座席は自由席です。

福江港から田ノ浦港までは約20分。客室からデッキに出て直接風を受けるのも心地よかったです。

久賀島が近くなってくると最初に訪れる浜脇教会が右手に見えてきます。これは船からしか見えない景色。

浜脇教会。この時は改修工事中。浜脇教会は最初1881年に建立されましたが、台風や潮風に耐えられるように1931年に五島では初めてのコンクリート製の教会として建て直され今日に至っている教会です。シルエットが美しい教会です。

浜脇教会から島のタクシーに乗り次の訪問地、牢屋の窄殉教記念教会へ向かいます。

牢屋の窄殉教記念教会の案内看板。

信仰の碑。殉教した信徒たちの名前と年齢が刻まれた碑です。まだ幼い年齢を見ると自分の意志というよりキリシタンの家に生まれたことで犠牲になったことがわかり無念さが伝わってきます。またここではわずか12畳ほどのスペースに200名ほどの信者が押し込められた場所。当時のことを聞くとそれぞれの信仰する宗派を問わずに静かに祈りたくなる場所です。この碑の隣に記念教会が建てられています。

タクシーに乗り、島全域を眺められる折紙展望所へと向かいます。

折紙展望所にてガイドによる説明を受けているところ。

この日の天候は薄く雲がかかり遠くまでは見渡せない状況とのこと。視界が狭かったのは少し残念ですが、天気はよく気持ちよく見渡せました。

折紙展望所からまたタクシーで五輪教会に向かいます。この道中がとてもスリリング。車一台しかとおれない車幅の山道をくねくねと進みます。田ノ浦港からのここまでのルートはちょうど久賀島を縦断する流れ。このルートで巡るにはツアーに参加しないと来るのが難しいです。

五輪教会まで残り500メートルは車は入れないので参加者全員徒歩で向かいます。

このような森の小道を歩き続けます。このツアーには歩けるシューズで参加するのが鉄則です。

森を抜けると海岸に出ます。透明度の高いきれいな海岸、その奥に見えるのが五輪教会です。

手前にあるのが現在の五輪教会。ただこの教会についてはなんの説明もなくスルーされました。なにせ隣が世界遺産なので仕方ないのでしょう。

そしてこちらが世界遺産に登録された旧五輪教会。「旧」という字がついているように今は教会としては使われてはいません。一度は解体されることも検討されたそうですが、木造建築の教会を信者が守ったことで現在の世界遺産にもつながったそうです。

歌手の五輪真弓さんのお父さんがこの五輪地区の出身で信者さんだったというのも有名な話。五輪という性もこの地区には多いお名前。ちなみに「五輪」の字の読み方ですが地域や教会では「ごりん」と読みますが、名前では「いつわ」と読みます。また五輪真弓さんのおじいさんはこの旧五輪教会でオルガンを演奏していたということです。

旧教会なのでここだけは教会内部の撮影が可能です。基本的に五島列島の教会内部の撮影は禁止されています。教会は観光地ではなく信者の祈りの場であることを理解して訪問する必要があります。

旧五輪教会内部。

教会の窓越しから見える海岸は美しい。時間が許せばしばらくこの風景を眺めていたかった。

旧五輪教会は、後ろから見ると和風民家に見えるように作られています。この造りは必見。まったく内部を想像できない建築物。これも教会に見えないようにしていた隠れキリシタンの知恵とのこと。

奈留島へ江上天主堂へと向かう

旧五輪教会前の海岸から海上タクシーにて奈留島へと向かいます。

奈留港について昼食をとった後に木工工房に行きオリジナルグッズ制作という時間をはさみ、島のタクシーにて江上天主堂に向かう行程。

木工工房では各自が半田ごてで木片に教会などのイラストを焼き付けてお土産として持ち帰れます。上の写真はこちらの工房で制作された作品のひとつ。福江島で開催される夕やけマラソンの表彰盾。これから向かう江上天主堂のイラストが描かれています。しかしハーフとはいえ夏のマラソンは大変そう。冬にはフルマラソンのつばきマラソンが開催されるとのこと。

木工工房をあとにしていよいよ江上天主堂に到着。江上天主堂の案内看板。

江上天主堂と今回ガイドを務めてくれたNさん。聞けば関東からIターン移住で五島にやってきてガイドをやっているとのこと。20代のガイドは彼ひとりでこれから五島の観光案内を盛り上げてくれることを期待したいところ。

江上天主堂のドアノブ。教会の外見はきれいに塗装されなおされていますが細部を見ていくと歴史を感じることができます。

屋根のひさし裏にも独特のデザインが施されている。細かいところを見て歩くのも楽しい。

江上天主堂の見学が終わると奈留港へとタクシーで戻り、定期船のニューたいように乗船。福江港へと戻ります。

今日のツアーで乗った船では一番大きい船。奈留港から福江港までは約30分。今回のツアーで乗船している時間も一番長い航路。

これで福江港についてからツアーは解散となります。ここまで見てきたように船と島内のタクシーを乗り継がないと効率よく教会を見学をすることはできません、。ツアーでは各場所の滞在時間も短く団体行動があるので写真を撮るのにも十分な時間を確保するのも難しいところはあります。いくつか不便な点はあるものの個人手配で同じルートをたどろうとすると費用は何倍にもなり、島の中の移動もスムースには行えないでしょう。

これらの点を総合的に見て初めて五島列島の島々を渡りながら教会を見学するにはツアー参加が現実的だと感じました。

五島列島キリシタン物語

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