世界盆栽大会を取材してきました
2017年4月に埼玉県さいたま市で世界盆栽大会が開催されました。世界盆栽大会とは、世界の盆栽愛好家が集うイベントで4年に一回開催されているもの。第一回大会が1989年に埼玉で開催されていから28年ぶりに日本で開催されました。
この世界盆栽大会に某媒体向けに取材に行ってきましたので、そのときの様子を少しご紹介しましょう。
世界盆栽大会の開会式は大会名誉総裁である秋篠宮同妃両殿下をお迎えして華々しく開催。開会式ではさいたま市の小学校で盆栽も学んでいる小学生たちがメッセージを掲げて盆栽の魅力をアピール。
開会式の後には、日本盆栽協会理事の木村正彦氏による記念デモンストレーションが行われました。英語の通訳も入り、会場の盆栽ファンは固唾を飲んで盆栽作りのテクニックに見入っていました。
開会式の翌日からは、さいたまスーパーアリーナにて「日本の盆栽水石至宝展」も開催。こちらは一般の方も入場できる盆栽のイベント。盆栽の企画展や売店ブースなどが会場いっぱいに軒を連ねています。
世界盆栽大会は登録者のみが参加できるデモンストレーションなどが「日本の盆栽水石至宝展」とは別に開催。こちらは竹山浩氏によるデモンストレーションの様子。海外からの参加者が目立ち、すべて英語による通訳が入ります。海外からの参加者からはたくさんの質問が投げかけられ、いかに海外で盆栽が人気なのかということを肌で感じることができました。
こちらはデモンストレーションで制作した竹山氏の作品。限られた時間で作られた作品とは思えない出来栄えです。
開催期間中、何か所かがサブ会場になっていて盆栽を展示しています。その中のひとつである大宮盆栽美術館。ここは世界唯一の盆栽専門の美術館であり、世界盆栽大会に合わせてたくさんの来場者がこちらにも足を延ばしていました。
(※盆栽美術館での写真は取材許可を得て撮影しております。)
大宮盆栽美術館では、「盆栽界の至宝」と言われる「五葉松 銘 日暮し」を特別公開。世界盆栽大会にあわせて6年ぶりの一般公開です。この盆栽の市場価値はなんと1億3800万円だとか!?
こらちは、岸元首相が愛蔵していた盆栽「花梨」。現在は大宮盆栽美術館蔵。
そして、こちらは安倍首相が所蔵している五葉松の「輪の舞」。盆栽の価値は、それまで誰が所有してきたかということも含まれるとのこと。きっとこの盆栽も後世の首相などに引き継がれるのかもしれません。
日本ではお年寄りの趣味として思われがちな盆栽ですが、海外では若い人たちにも絶大な人気があるようです。大宮の盆栽村で出会った彼はドイツから盆栽の修行をしに来日。これから盆栽を学びながら働くのが楽しみと語っていました。
私たち日本人には身近にある盆栽。少し踏み込んでみるとその奥深さは世界にも通じるもの。これから少しずつ盆栽も日本の若い世代にも広がっていくようになる予感がしました。
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