村上春樹ゆかりの地を撮り歩く-阪神編
2016/10/24
村上春樹は世界的に知名度のある日本人作家。ノーベル文学賞の呼び声も高くなっている現在、村上春樹のゆかりの地を撮り歩いてみました。今回は阪神地域編です。
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お猿公園-『風の歌を聴け』
まずは、村上の1979年のデビュー作、『風の歌を聴け』に出てくるお猿公園。お猿公園とは愛称で正式な名称は、芦屋市打出公園。かつて公園の中にあるオリにお猿がいたことからお猿公園と呼ばれているとのこと。そのお猿はいまはもういません。
デビュー作に出てくるお猿公園。公園の中央にはいまも大きな動物用のオリがあります。
オリの中にはいまはなにもいません。少しさびしげな雰囲気を漂わせているのが印象的でした。
オリにはここが作品の舞台になっていることを紹介している看板も設置されていました。
旧芦屋市立図書館
お猿公園。の裏手には旧芦屋市立図書館があります。現在は図書館の打出分室となっています。ここは、村上が高校生まで阪神間で育つ間通った図書館のひとつ。古い雰囲気のある石積みの外装のこの図書館は、大阪にあった銀行の建物を昭和初期に移築したものだとか。村上のお気に入りの図書館だったそうです。
旧芦屋市立図書館、現在は打出分室。
ツタのからまる石積みの外壁は古き良き時代の雰囲気を漂わせています。
※お猿公園と旧芦屋市立図書館は、同じ一区画にあるので地図は共通として表記してあります。図書館前の緑色の区画が打出公園。
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葭原(あしはら)橋-『ランゲルハンス島の午後』
安西水丸の絵とともに雑誌に連載されたエッセイ、それが『ランゲルハンス島の午後』。そのエッセイの中で、村上の家と学校の間に古い石の橋がかかっているというのがこの葭原(あしはら)橋。静かな夙川の沿いを歩くととても気持ちがよかったです。
西宮の夙川にかかる小さな石橋、これが葭原(あしはら)橋。最近改築されたとか。
葭原橋、少し読みにくいですが「あしはらばし」と読みます。
若き頃の村上もきっとここを何度となく渡ったのでしょう。彼がどんなことを考えていたのかに思いを巡らすのもいいかもしれません。
香櫨園の海水浴場-『辺境・近境』
『辺境・近境』に出てくるのが、香櫨園(こうろえん)の海水浴場。ただ現在は浜辺は埋め立てられてしまっていて海水浴場としては存在していません。
村上もかつての海水浴場としての風景を懐かしく回想しています。現在は御前浜公園として表記されています。
香櫨園(こうろえん)浜を示す看板。香櫨園とは、明治40年に開設された遊園地のこと。大正2年に廃園。いまはその名前のみが残っているらしい。
かつては海水浴場だった雰囲気を彷彿とさせる風景はありました。小さな浜辺といった感じでした。
空が広く感じられる場所でもありました。ここでゆっくり村上の本を読みふけるのもいいかもしれません。
五十メートルの海岸線-『羊をめぐる冒険』
『羊をめぐる冒険』で三代目ジェイズ・バーを出た後に散歩をするシーン出てくる「海岸線の名残り」とされるのがこの芦屋浜。ここは埋め立てられて現在のほんの短い海岸線が残っているとのこと。
わずかに砂浜が残る海岸線。はっきりとした場所は書かれてないものの描写内容と照らし合わせるとこの場所に行きあたります。
この他にも阪神地域には村上春樹のゆかりの地はあります。本を片手に散策し写真を撮り歩いてみるのも楽しそうです。
Oct-10 2012 Up
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