瀬川陣市 フォトグラファー 公式サイト

フォトライフコンシェルジュとして 写真家・講師・ライター などで活躍、フォトララ写真未来研究所代表

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プーシキン美術館展を撮ってみた

プーシキン美術館展。プーシキン美術館はフランス絵画コレクションで知られるモスクワの美術館。同館が所蔵する絵画から65点を展示している展覧会。2018年4月から7月までが東京で開催、続いて7月から10月が大阪で開催。

このプーシキン美術館展、金曜土曜の午後5時からの夜間開催中に限り会場内での写真撮影が可能になっています。最近現代アート展では撮影可能な展示を目にすることがありますが、絵画展では珍しく感じます。

この試みはハッシュタグとともに同展覧会をSNSで拡散してもらうことを目的に撮影を許可しているとのこと。これはなかなか大胆な企画ではないですか!ならばちょうど大阪に行く予定があったので、展示品の撮影も兼ねてプーシキン美術館展へ足を運んできた次第です。

金曜日の午後5時前に会場に入り、しばらくすると「ただいまから会場内での撮影が可能です」との館内アナウンスが流れました。たぶん撮影を目当てにきている方が多いらしく、ここぞとばかりに皆カメラを作品に向け始めました。

せっかく絵画作品を撮るのも図録のように正面からまともにだけ撮ってもおもしろくはないだろうと思い、一枚の作品をひとつの風景とみなしてそこからトリミングするように撮ることにしてみました。一枚の絵画が目の前の風景ととらえると日ごろスナップショットを撮影するのと同じように写真が撮れることに気が付きすこしシャッターを押すリズムも上がっていきました。

では、珠玉のフランス絵画を大胆に切り取った写真をまずどうぞご覧ください。

モネ、セザンヌ、ルノアールなど世界の巨匠の作品を目の前に堂々とカメラを向けることはある意味楽しいのですが、撮っていて感じたことは絵画は撮るのもではなく見るものだということ。撮影するという行為に意識を半分もっていかれ、鑑賞する気も半ばになってしまいます。撮るのか見るのかどちらかにしたいという気持ちの葛藤がありました。

ただ、美術館で観覧している雰囲気や人々をモチーフに撮影するのはとても興味をひかれ、エリオット・アーウィットのような写真が美術館で気軽に撮れるようになると楽しくなりそう。

プーシキン美術館展のような時間を区切って作品の撮影が可能になる展覧会はこれからも増えるかもしれません。その場合たんに作品を撮ったことで満足するのではなく、気に入った作品を記録するために撮るというくらいのスタンスでカメラを向けるくらいがちょうどいいあんばいではないでしょうか。

【公式】プーシキン美術館展

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